普段から私たちの口を潤してくれているだ液ですが、
だ液は口を潤すだけではない重要な力をもっています。
解説していきます。
だ液
だ液腺という場所で作られます。
特に大きいだ液腺が3つあり
耳下腺、顎下腺、舌下腺があります。
また、唇の裏、上あごなどの粘膜にも
小さいだ液腺があります。
1.食べ物をまとめる力
だ液中のムチンなどによりだ液には強い粘性があります。
食べものを歯で細かくした後、口の中でまとめます。
食べ物がまとまり塊になることで、さらに食べ物を細かくすること
もできます。さらに塊になった食べ物は飲み込みやすくなります。
だ液が少なくなると食事がしづらくなります。
2.舌に味を伝える力
人間の舌には味を感じるセンサー(味蕾)がある。
センサー食べ物の成分が反応しないと味を感じない。
食事をするとだ液の水分に食べ物の味の成分が溶けだします。
溶けだした成分は水分のなかで広がり味を伝えます。
だ液が少なくなると味覚障害になる可能が高くなります。
3.汚れを洗い流す力
何もしていない時から食事をしている時いつでもだ液は出ていて、
食べかすや菌を洗い流しています。
だ液が少ないと、むし歯や歯周病のリスクが高まります。
歯の位置、形、入れ歯、矯正装置により洗い流す力が弱まります。
4.食べ物を分解する力
だ液の中にはデンプンを分解する酵素があります。
デンプンは最終的にはブドウ糖になり私たちのエネルギーとなります。
ブドウ糖にはむし歯菌たちのエネルギーにもなるので
食べすぎには注意。
5.歯や粘膜を保護する力
だ液により歯は磨耗したり脱灰することから守られます。
口腔粘膜も感染や機械的な損傷から守られます。
保護する力はブラッシングでもとれますが、だ液がつくと
すぐに元に戻ります。
だ液に細菌が付きやすいので治療時にはだ液をつけないように
ラバーダムなどで配慮することがあります。
6.中和する力
だ液はむし歯菌による酸を中和してくれます。
食べ物で酸性・アルカリ性になった口腔環境を
中性に戻してくれます。
口の中が中性になるまで時間がかかるので、
食べる頻度には気を付けましょう。
7.抗菌作用
だ液中の成分には、細菌の活動を抑える様々な物質
(リゾチーム・ペルオキシダーゼ・免疫グロブリン・ラクトフェリンなど)
が含まれます。
細菌が増えすぎると効果が下がってしますので、
清潔に保つように心がけましょう。
8.歯の再石灰化を促進する力
だ液中のカルシウムイオン・リン酸イオン・フッ素イオンは、
ミネラルが抜けた歯質の再石灰化を促進します。
歯を再石灰化するだけではなく、食べかすや最近の塊を石灰化
して歯石にすることがあります。
フッ素を使うことでさらに歯のさらに石灰化を促進できます。
9.酵素によるがんを抑える力
7.抗菌作用で出てきたペルオキシダーゼという酵素は
ベンゾピレンなどの発がん性・変異原生を抑制する作用があります。
まとめ
だ液は耳下腺・舌下線・顎下腺の3大唾液腺と
粘膜に存在する小唾液線から出ます。
常に出続けるだ液には9つの力があり、
円滑な食事・免疫による予防の重要な役割を果たしています。
だ液の量が減ると、まず乾燥感が出てきます。
だ液は機械によって調べることができます。
石渡歯科クリニックでは
口腔内の湿潤度計ムーカスでだ液の量の検査を
受けることができます。
ご興味あれば石渡歯科クリニック
をご利用ください。
少しずつ気を使うことで
歯を大切にする意識が高
まると思います。
今回の内容があなたの
健康寿命を延ばす手助け
になると幸いです。
参考文献
e-ヘルスネット 厚生労働省
咀嚼とがん予防
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