【歯の知識】フッ素の3つの力【フッ素】

歯の治療

フッ素の力

フッ素は口の中で広がって歯や菌、
菌がつくった膜の中に吸収されます。

吸収されたフッ素は

1.酸に対して歯を強くする。

2.歯の再石灰化をすすめる。

3.菌の活動を弱くする。

といった効果があります。

酸に対して歯を強くする

エナメル質は90%が無機質で
構成されています。

無機質の中にはハイドロキシ
アパタイトが含まれており

ハイドロキシアパタイトは口腔内で
脱灰と再石灰を繰り返している。

ハイドロキシアパタイトにフッ素が
取り込まれると

酸に強いフルオロアパタイトになり
エナメル質は脱灰する量が少なくなる。

歯の再石灰化をすすめる

フッ素があると酸で溶かされた
歯のミネラルはまたミネラル同士で
くっついて再石灰化して歯にもどります。

ハイドロキシアパタイトが
フルオロキシアパタイトになったり
再石灰化はフッ素が低い濃度でも起こります。

菌の活動を弱くする

菌がフッ素を取り込むと酸を
作りにくくなります。

菌は酸のほかにねばねばした液を
作り出して菌同士で集まります。
この菌の集まりをプラークと呼びます。

また、菌をつなぐねばねばした液は菌を
消毒液・抗菌薬から守るバリアとなる
バイオフィルムをなる。

フッ素は菌をつなぎとめるねばねばの液
に入り込み菌に取り込まれます。

また、フッ素を取り込んだ菌がプラークに
いれば、バイオフィルムにフッ素が吐き出され
バイオフィルム内のフッ素濃度が上がります。

バイオフィルム内のフッ素濃度が上がると
さらにほかの菌にもフッ素が取り込まれる。

フッ素の循環が生まれることで菌の活動を
弱くしていきます。

フッ素はどのように利用されいるか?

①食べ物

②フッ素を塗る

③フッ素入りうがい薬

④水道へ入れる(水道水フロリデーション)

などの方法があります。

食べ物

すべての食べ物に微量ながら入っています。
ただ微量すぎてむし歯予防に効果ありません。

フッ素を塗る

歯科医院にて9000ppmF高濃度の
フッ素塗布の治療を受けることができます。

ご自身ではフッ素入り歯みがき粉で
フッ素を塗ることができます。

2030年1月に新しいフッ素入り歯みがき粉
の使い方が発表されました

フッ素入りうがい薬

フッ素錠剤を水に溶かしてゆすぎます。
学校などで指導・実施されています。

薬局でもフッ素が溶けているうがい薬
が販売されていますので探してみてください。

水道へ入れる(水道フロリデーション)

海外などでは行われています。
日本でも一部地域で行われていましたが

現在はフロリデーション事業は
中止されているようです。

まとめ

フッ素の力は

1.酸に対して強くする。

2.歯の再石灰化をすすめる。

3.菌の活動を弱くする。

の3点で

利用方法としては

①食べ物

②フッ素を塗る

③フッ素入りうがい薬

④水道へ入れる(水道水フロリデーション)

などの利用方法があります。

歯は歯ブラシでは届かない溝があります。
溝に届くフッ素はむし歯予防には重要です。

フッ素を積極的に使っていきましょう

以上になります。

ご興味あれば石渡歯科クリニック
をご利用ください。

ご予約のお電話は
03-3857-0961
ネット予約はこちらからどうぞ

少しずつ気を使うことで
歯を大切にする意識が高
まると思います。

今回の内容があなたの
健康寿命を延ばす手助け
になると幸いです。

参考文献

厚生労働省e-ヘルスネット フッ化物利用(概論)著 濃野 要

フッ化物洗口マニュアル (2022 年版) 厚生労働省 

4学会合同のフッ化物配合⻭磨剤の推奨される利⽤⽅法

株式会社ビーブランド・メディコ―デンタル

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