【歯の知識】神経をとる2つの状況【抜髄・感染根管治療】

抜髄・感染根管治療 アイキャッチ 歯の知識

歯の構造で歯の神経とは歯髄のことをいいます。

歯髄には歯の神経のほかに血管や隙間を埋める細胞や体液も含まれます。

歯の構造についてこちらの記事もどうぞ

歯髄はとってしまうと二度と再生することはありません。

歯髄を失うと防御反応の痛みや、免疫機能が失われ歯の寿命を著しく短くします。

解説していきます

神経をとる状況

  • 歯髄の炎症が強い時
  • 歯髄が感染した時

の2つです。

歯髄の炎症が強い時

感染以外で歯髄の炎症起こすのは

  • 事故で強くぶつけた時
  • 知覚過敏がひどくなった時

の2つです。

事故で強くぶつけた時

瞬間的に大きく歯が動かされると血流が悪くなり神経がダメになります。

力がかかった後は違和感がありますが、知覚過敏みたいな痛みになりづらいです。

歯髄で内出血が起きて歯の色が黒くなり、この状態を歯髄壊死といいます。

知覚過敏がひどくなった時

歯が欠けたり、ひび、むし歯により知覚過敏がおこります。

知覚過敏症がひどくなると歯髄で炎症が起きます。

軽度の知覚過敏なら炎症を抑える薬や歯をコーティングして刺激を防ぎ、炎症が収まるのを待ちます。

最長で3か月程度待つこともあります。

ただ、炎症が続くと炎症はおさまらず軽い刺激でも激痛となり、何をしても痛くなります。

歯髄が感染した時

むし歯や歯が折れた時、細菌が侵入してきて感染します。

はじめは知覚過敏と同じく炎症が始まり、細菌を排除するために免疫反応も始まります。

免疫反応により膿がつくられます。

膿が増えてたまり続けると、行き場のない膿は根の先から膿が出る激痛が走ります。

根の周りには歯根膜といって
歯と顎をつなげる靭帯があります。

歯根膜は食べ物を感じる圧センサーと
力をいなすクッションの役割がありますが、

膿が根の先から出てくると
歯根膜を押し広げて、激痛になります。

膿が歯茎の方に向かい口の中に出ると
圧が抜けて痛みがなくなります。

根尖性歯周炎の初期の時、
むし歯を取って神経がでても

抗生剤やアルカリ性の高い
セメントなどで蓋をして

感染を抑える方法もあります。
特に若い方の方が結果がいいです。

まとめ

神経をとる状況は

  • 歯髄の炎症が強い時
  • 歯髄が感染した時

です。

どちらの場合も歯に穴をあけて
リーマー・ファイルといった歯を
直接削る器具で神経や感染した組織をとり、

器具が入らない場所は次亜塩素酸
を使って化学的に殺菌していきます。

また、説明してきた状況以外で神経を
取っていない歯を治療する時でも
歯髄に炎症が起きる場合があります。

小さいむし歯や失った歯の補うブリッジ治療、
歯を動かす矯正治療などでもまれに歯髄で
炎症が起きてしまうことがあります。

細心の注意を払っていますが、炎症が
落ち着かない場合も神経をとります。

以上になります。

ご興味あれば石渡歯科クリニックをご利用ください。

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少しずつ気を使うことで歯を大切にする意識が高まると思います。

今回の内容があなたの健康寿命を延ばす手助けになると幸いです。


参考文献
わが国における歯内療法の現状と課題

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